とび職人が独立して個人事業主になるために必要な要素とは?

とび職人の独立

とび職人は、他の職業と比べると独立して個人事業主になるチャンスが多いのが魅力です。
普通の会社員が独立して個人事業主になる場合、「脱サラ」などと言われ清水の舞台から飛び降りる覚悟がいるようなことです。
もちろん、とび職人の場合も覚悟が必要ですが、独立するケースが多く周りの人にいろいろ聞いたり人脈を生かしたりしやすいため、独立しやすいのです。
ここでは、とび職人が独立するために必要なことと、独立によって得られるメリット・デメリットについてお話ししましょう。

親方に必要なのは技術と経験、そして体力

親方として部下を何人も使って仕事をするためには、ゆるぎない技術と豊富な経験が必要です。
部下に仕事を教え、導く必要があるからです。
また、親方の実力が、そのまま独立したあなたの会社の実力になります。

技術と経験も重要ですが、暑い夏場などに一日中外で働くとび職人には、強靭な体力が求められます。
部下が暑さで潰れたときなど、親方が代わりに穴埋めしなければならないかもしれません。

技術と経験、そして体力、親方にならなくてもとび職人になるためには求められる資質です。
まして、親方になるのならば、より高度なレベルの実力が求められます。

親方には人脈作りも大切です

とび職人が独立するために絶対に必要なもの、それは広い人脈です。

とび職人が仕事をするためには、建設会社から仕事を請け負わなければなりません。
そのためには、「あそこなら大丈夫。信頼できる仕事をする。」という評価が必要です。
また、仕事をもらうためには、顧客である建設会社の担当者と仲良くなっておく必要もあります。

また、顧客に対する人脈だけでなく、同業者や部下に対する信頼も必要です。
建設業には様々なとび職人が独立しています。
これらの職人たちとパイプがつながっていれば、どんな建設会社に仕事の可能性があるのかなどといった情報を仕入れることができます。
もちろん、雇った部下の信頼を勝ち取らなければ、ついてきてくれませんし、腕の良い職人を雇うこともできないでしょう。
尊敬できる親方の下に、優秀な人材は集まるものです。

このように、仕事の評判と親方の人望があってこそ、広い人脈を得ることができるのです。
いくら技術や経験といった実力があっても、人脈がなければ独立することは難しいでしょう。

デスクワークも必要です!経理や経営の知識は必須

そして、個人事業主は経営者なので、経理や経営の知識が必要です。

親方の奥さんが経理を担当するのがよくあるケースですが、もちろん、親方本人も経理の知識が必要です。
儲けと人件費や経費の関係など、経営の知識は親方本人がわかっていないといけません。

このように、とび職人の親方になるためには、仕事関連の実力、人脈、経理や経営の知識といったオールマイティーな力が必要です。

親方になるメリット・デメリットを1分でわかるようにまとめてみました

今まで従業員として働いてきたとび職人が親方になるのは、並大抵のことではありません。
しかし、親方になればメリットはたくさんあります。

まず一番のメリットが、人件費や経費を除いた儲けが全て、自分のものになるということです。
従業員で働いていれば毎月決まった分しかもらえませんから、この差は大きいのです。
しかし、思うように仕事が取れなかったり人件費や経費がかかりすぎたりすると、当然自分の儲けは減ります。

このように、自分の人脈や経営手腕によって大きく儲けられるかどうかが決まるというのは、自分の腕一本で仕事を切り開くことができるということです。
ただ、人に使われて仕事をするのではなく自分の力で儲けるというのは、だれでも憧れることではないでしょうか?

親方になるとリスクもあるけれど、うまくいけば得るものは大きいのです。
とび職人になったら誰もが独立を夢見るのではないでしょうか?